フランス人にとってアンティークは、趣味と言うよりも、むしろ生活必需品。ここ、リル・シュー・ラ・ソルグは、そんなフランス人達には不可欠の村だ。

 「ソルグ川のほとり」という意味の村の名前の通り、美しいソルグ川が村を囲むように流れ、シンボルの大きな水車がいくつもゆっくりと回っている。小さな美しい村の内外に無数のアンティークショップが建ち並び、素敵な町並みと楽しい雰囲気を醸し出している。ソルグ川のほとりには、おしゃれなカフェが並び、多くの人々がショッピングの合間のひと時を楽しんでいる。川の水はとても澄んでいて、川底に揺れる美しい緑色の藻に小魚が戯れているのが良く見える。

そして何より重要なのは、毎週日曜日に開かれるアンティーク・マルシェ。 小さな村に、所狭しと露店が並ぶ光景はそれだけで圧巻。アンティークの家具や絵画、食器や金物、何だか使い道のわからないものまで、何でも売っている。アンティーク以外にも、プロヴァンスらしいテーブルウェアやおいしそうな食べ物、手作りのかわいい雑貨などもある。きっと思わず嬉しくなってしまう、自分だけの掘り出し物が見つかるはずだ。

アンティークというと、つい「世間でそれは、どれくらいの価値があるのかな？」などと思ってしまうのだが、リル・シュー・ラ・ソルグを歩いていると、それは全く間違いであることに気付く。

アンティークの価値は、「自分の生活をいかに幸せにしてくれるか」。

きっとそれだけだ。