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郷愁のアルル
 
「夜のカフェテラス」
ゴッホの代表作はこの町で描かれた。

(モデルとなったカフェ・ヴァン・ゴッホ。写真左上)

古代ローマの遺跡を多く残し、幾多の文化が通り過ぎて行ったこの町には、その長い歴史を年輪のように積み重ねてきた深みと、遠い過去から脈々と続く、人々の営みの力強さを感じる。
お世話になったシャンブルドットの壁は、何と千年前のものを今でも使っていると聞かされ、時間の感覚の差にかなりのショックを受けた。
きっとここに住んでいる人々は、そのとてつもない時間の意味を、毎日肌で感じながら生きているに違いない。
ゴッホはこの地で、約2年の間に300点を超える作品を描いた。夏の照りつける光、ミストラルに凍てつく冬。芸術家を夢中にさせたものは、何だったのだろ?
アルルの寂れた街角を歩きながら、そんな事を考えていると、何故か深い郷愁を覚えてしまう。
ゴッホはここで、親友ゴーギャンに裏切られ、自分の耳をそぎ落とした。
幾万の人々の思いを積み重ねながら、アルルはこれからも、ゆっくりと時を刻み続けて行く事だろう。
 

K.Y.

 

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